夜空の星

日々思ったことを徒然と。管理人はただのオタクです。漫画とアニメと時々小説。

かつてキョンに成りたかった君へ

 長かった大学生活が終わってしまった。いや、それは本当に長かったのだろうか?「長いようで短い」というフレーズは区切りの年ごとに使ってきたが、これまでの4年間が果たしてあっという間に過ぎ去ってしまったのか、まだ判然としていない。現状、モラトリアムから半歩ほど足を踏み出している身ではあるが、茫洋と、どこかを揺蕩っている感覚のただ中にいる。

 春から社会人である。実感はない。それはまあ当然なのだが、自分がまだ学生であるという意識はもう薄れている。宙ぶらりんの私。

 年明けからいろいろあって、それはもういろいろ考えていたのだが、詳細はふせる。ただ、ひどく現実が目の前に押し寄せてきた気がした。私はこれまでストレートに人生のレールを辿ってきて、ある程度、順風満帆に過ごしてきたわけだが、それはとても幸せなことだったのだと思わされた。そのことは結構なショックだった。

 私はキョンになれなかった。非日常に憧れていたあの頃の自分はもういない。平穏な日常をぬくぬくと生きている普通な私がここにいる。そもそも人生はそんなものだと頭の中で割り切っている冷めた私がここにいる。大人になったと言われればそれまでだ。しかし、あの頃の自分は確実にいなくなってしまった。実体のない喪失感だけが心の中でくすぶっている。

 そもそも「あの頃」がいつを指しているのかも、もうぼんやりとしている。輪郭の薄れた思い出だけが私を縛っている。

 青春の終わりがいつかを定義することが難しいように、いつ大人になれるのかを自覚することは難しい。ただ、もう子どもではいられないのだと実感する日はふと訪れる。前触れもなく。突然電球が切れるように。

 それでも私は生きていかねばならない。人生は物語ではない。

 せめて「あの頃」は良かったと懐古的に語るおじさんにはなりたくない。生きている限り、楽しいことは続く。そんな未来を歩めたらな、と夢想する。

 おそらくこの文章を書いていた時のキモチもいずれ薄れてしまうのだろう。しかし、それでいいのだ。思い出に浸るだけが人生ではない。願わくば、10年後の自分がこの文章を読んで、「あの頃」は若かったと笑い飛ばしていたい。

 そんな総論で私の大学生活を締めくくる。

 

 ——人生という冒険はつづく。