読者です 読者をやめる 読者になる 読者になる

夜空の星

日々思ったことを徒然と。管理人はただのオタクです。漫画とアニメと時々小説。

大学でエロ漫画の研究をしていたら漫画の編集者になれた話。

日記

 就職活動やら諸々の懸念事項が一段落したので久々にブログを書いてみる。振り返ってみれば就活のことばかり考えていた一年だった。学生時代最後の年であるのに、なんだかもったいない時間の使い方をしてしまったように思う。まあ、いずれはこの経験もまた、思い出として昇華されてしまうのだろう。22年生きてきて感じるのは、ここからが人生の始まりというワクワク感と、もう人生の折り返し地点に来てしまったような錯覚に陥る、何とも言えないもの哀しさだ。

 さて、今回は私の将来の夢について書こうと思う。

 正確に言えば将来の夢「だった」ことについて。

 始まりを話せばおそらく高校時代に遡るわけだが、当時の私は将来の夢について悩んでいた。将来の夢、というと漠然とした言い方だが、つまりは将来何の仕事をしたいかについてである。幼少期からの変遷を述べれば、大工→教師→小説家と、私のやりたい職業は変化していったわけだが、インターネットどっぷりネイティブ世代の人間からすると、小説家なんて博打な職に就くのは非常に難しい事であると、ネットには散々書かれているわけである。

「そんなこと知るか!俺は小説家になるんだ!」と(良い意味で)盲目的に夢を追い続けられればとても美しいわけだが、私は現実的に、リアリスティックに物事を考え詰めてしまう性格をしているので、「いやいや何を言っているんだ。いつまでも夢なんか見てないでちゃんとした職に就かないと」と、自制が働いてしまうわけである。

 そこでまあ、いろいろ考えるわけである。果たして自分は何をしたいのか、と。

 思考の行き着いた先が「編集者」という仕事だった。

 自分は物語を創り出せないが、物語をたくさんの人々に届けるという仕事はしたい。ならば出版業界に行くのが一番であろう。そう考えた。

 私は漫画、アニメ、小説が大好きだが、とりわけ漫画を読みまくっていた高校時代だった。創作者としては絵を描くことより文章を書くことが好きだし得意だったので、小説家という選択肢を想像したわけだが、読者としては専ら漫画読みだったわけである。当時は『バクマン』がジャンプで連載されていたように思う。漫画家と編集者が二人三脚で作品を創り上げていく過程に憧れを抱いた。

 それに直接の影響を受けたわけではないが、自分より才能のある創作者のサポートができればどんなにいいことかと、齢16,7の若きあの頃の自分は朧気ながらにそんな思いを抱いていたのだろう。

 そして私は、「漫画の編集者」を将来の夢に定めた。

 それからも何やかんやあるのだが、大学選びはそのことだけを考えていた。私の好きな漫画、アニメ、小説が学べる学部に行きたい。第一志望の某W大学には落ちたが、幸いにしていま通っている学部では、本当に好きなことばかりを学ぶことができた。お世話になった教授たちには感謝の念が絶えない。

 そんな幸福な三年間の学生生活を過ごし、今年の春に就活に臨んだわけである。いくら漫画の編集者になりたいからといって、出版業界は狭き門とされている。結果は惨敗だった。一時期は漫画を読むのが嫌になるほど落ち込んだ。

 それなりに自信はあったし、自負もあった。同世代の人間に漫画の知識で俺に勝てる奴はいないというプライドも、あった。しかしながら、現実はそう上手くいかないものである。そして、業界から何度も不採用の通知を受け取ることは、今まで自分が漫画に費やしてきた情熱すべてを否定されているかのように思えた。

 ここで改めて「夢」について考えてみる。夢は叶わないのが当然で、叶えられるのはごく一部の限られた人間であるという認識。

 私は、好きでもなく興味も持てない仕事に一生を捧げるぐらいならニートになった方がましと考えている。まあ、ニートになれるほど現実に余裕はないのだが、人生残りの四十数年を捧げる仕事選びに妥協はしたくなかった。好きなことで生きていけなかったら、死んだ方がましだ。そんな人生はつまらないと思う。

 前述の問に戻ってみる。「夢」を叶えられるのはごく一部の人間だけか?

 私の答えはイエスである。

 夢は諦めることなくそれを追い続けた人間にのみ叶えられるものであると思う。

 ただし、それは限られた人間だけに許されたものではない。誰もが夢を追い続けることはできる。難しいのは、夢を追い続けるということと、それを行動に移すことだ。私が同年代の人間に感じるのは、現代では夢を追い続ける人間があまりにも少ないのでは? ということだ。インターネットには現実の嫌な側面がゴロゴロ転がっているので、「夢を叶えた」美談よりも、現実に対する愚痴、怨嗟の声が蔓延っている。

 私のような人間の話はすぐに相対化され、「け、勝ち組が」という嫉妬に収束していってしまう。そんな空気を私は感じている。

 ここまで散々引っ張っておいて、タイトルですでにネタバレているわけだが、大学で興味本位で始めた研究を、同人誌にしてコミケで頒布し、それが縁となって最終的にとある出版社から内定を頂けた。私は晴れて来春より「漫画の編集者」としての一歩を歩み始めることになる。夢は叶ったわけだ。

 とはいえ、そこに至るまでの間には様々な苦労や葛藤があり、単純に「夢を叶えた」自慢の話とは思ってもらいたくないわけである。

 まあそんなわけで、ようやく私は人生のスタートラインに立った。大学生時代までの夢は叶えたが、今度は編集者としての夢を叶える番である。死ぬまで夢を追い続けることが人生の醍醐味であるように、私は思う。そしてそれを行動に移すこと。

 人生一度きり。私はYoutuberではないけれど、「好きなことで、生きて」こその、夢追い人でありたい。